唐綾縅からあやおどし)” の例文
このとき、次男源大夫判官兼綱、この日紺地の錦の直衣ひたたれ唐綾縅からあやおどしの鎧を着て奮戦していたが、父の危急をみると、ただちにとって返して防ぎ戦った。
唐綾縅からあやおどしよろいを着、柿形兜を猪首いくびにかむり、渋染め手綱たづな萠黄もえぎ母衣ほろ、こぼれ桜の蒔絵まきえの鞍、五色の厚総あつぶさかけたる青駒あおごま、これに打ち乗ってあらわれた武士は
あさひの鎧 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
唐綾縅からあやおどしの鎧を着、日頃愛用の重籐の弓を手にして、散々に射まくったので、その凄じさに、源氏の兵も誰一人手が出せず、手負い、死ぬ者、数知れぬほどだった。
舟軍ふないくさには舟軍の仕方があると、鎧直垂を着けず、唐巻染からまきぞめの小袖に、唐綾縅からあやおどしの鎧を着け、いか物作りの太刀を佩いた身軽ないで立ちで、次から次へと矢をくり出した。
赤地の錦の直垂に唐綾縅からあやおどしよろいを着こみ、腰に銀づくりの太刀を帯び、二十四本の切斑きりふの矢を背に、重籐しげとうの弓を小脇にかいこみ、かぶとはぬいで鎧の高紐にかけてかしこまった。