咸陽宮かんようきゅう)” の例文
ある人咸陽宮かんようきゅうくぎかくしなりとて持てるを蕪村はそしりて「なかなかに咸陽宮の釘隠しといはずばめでたきものなるを無念の事におぼゆ」
俳人蕪村 (新字旧仮名) / 正岡子規(著)
だが、加茂かもの堤に出ると、咸陽宮かんようきゅう唐画からえにでもありそうな柳樹やなぎの並木に、清冽せいれつな水がながめられて、ひやりと、顔へ、がみのような風があたる。
親鸞 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
その石も巨大なるブッきや、角の取れない切石や、石炭のかすのような「つぶて」で、一個一個としては、咸陽宮かんようきゅうの瓦一枚にすらかないものであるが、これが渾然こんぜんとして
不尽の高根 (新字新仮名) / 小島烏水(著)
間炊ケンスイと書いてあいだにめしだからという者があり、またはかゆを出すからケンズイのスイは吸うことだと思っている者もあり、または硯水すずりみずなどというとんでもない字を書いて、昔咸陽宮かんようきゅうで冬の日
母の手毬歌 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
ある人咸陽宮かんようきゅうの釘かくしなりとて持てるを蕪村はそしりて「なかなかに咸陽宮の釘隠しと云わずばめでたきものなるを無念のことにおぼゆ」
俳人蕪村 (新字新仮名) / 正岡子規(著)