呵責さいな)” の例文
夫婦となれば、その心情は一層不思議で、日頃自分を呵責さいなむばかり、やさしい言葉一つかけてくれぬ自堕落の亭主を、心から愛する世話女房が、あちこちに発見される。
よし自分の身辺にまつはる事情や行懸りをうつちやつても……。我が身を引ン裂いてなりと、まのあたり銀が餓えと恥辱に呵責さいなまるる苦痛をすくはうと煩悶した。あせつたのである。
もつれ糸 (新字旧仮名) / 清水紫琴(著)
すると、自分を思い切って呵責さいなみたいような、また一方では何かに縋りつきたいような、訳の分らない感情に巻き込まれてしまう。腹を立ててるのか悲しんでるのか、自分でも分らない。
二つの途 (新字新仮名) / 豊島与志雄(著)
思うがままに恋のかたきの冬子を呵責さいなんだお葉は、お清にたすけられて柳屋へ帰った。
飛騨の怪談 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
呵責さいなまれた愛、憐憫の愛、神のやうな愛、健やかな恵深い愛、忍従の愛、寛大な、而して叡智の潜んだ愛、自然の愛、新鮮なみづみづしい愛、善良で正直な愛、素朴な野生の愛、深大な愛、一人の
呵責さいなまれた愛、憐憫の愛、神のやうな愛、健やかな恵深い愛、忍従の愛、寛大な、而して叡智の潜んだ愛、自然の愛、新鮮なみづみづしい愛、善良で正直な愛、素朴な野生の愛、深大な愛、一人の
愛の詩集:03 愛の詩集 (新字旧仮名) / 室生犀星(著)