味噌歯みそっぱ)” の例文
須藤は背は高かったがひどく痩せぎすなたちで、前歯が虫に食われて味噌歯みそっぱになっている。
一同が広々としたなわてへ出て、村の入口にかかっている小さな橋を渡ろうとすると、突然物陰から、飛白かすりのよれよれの衣物きものを着た味噌歯みそっぱの少年が飛出して来て、一番背の高い自分に喰付こうとした。
秘められたる挿話 (新字新仮名) / 松本泰(著)
わたしの愛情、赤いポストにするまで。と、味噌歯みそっぱを出してわらったのだが、金羊毛の舞踊室から無頼漢ぶらいかんの礼讃を象徴するような意気で猥雑わいざつなタンゴが響いてくると、急に奔放な馬のような女となって
孟買挿話 (新字新仮名) / 吉行エイスケ(著)