吾家わがいへ)” の例文
彼は三十分と立たないうちに、吾家わがいへ門前もんぜんた。けれどももんくゞる気がしなかつた。かれは高いほしいたゞいて、しづかな屋敷町やしきまちをぐる/\徘徊した。
それから (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
でてはさすがにつかれて日暮に帰り来にける貫一は、彼の常として、吾家わがいへながら人気無き居間の内を、旅の木蔭にもやすらへる想しつつ、やや興冷めて坐りもらず、物の悲きゆふべことひとりの感じゐれば
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)