吟醸ぎんじょう)” の例文
前日からきこめた百珍の料理は銀盤に盛られ、酒も家蔵の吟醸ぎんじょう幾壺いくつぼとなく持ち出して、客の前において封を切るばかりに用意していた。
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「ところが、てまえどもの酒は、看板にいつわりなしの上々の吟醸ぎんじょう。コクのある地酒ってんで評判物です。どうかそのおつもりでお過ごしを」
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
いや元禄にはいっては、もうその吟醸ぎんじょうの適度をこえ過ぎて、腐敗に近づき、麻痺と狂酔に世をつつんでいた。
梅里先生行状記 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
ひとみは四遠の地景をほしいままにし、胸には天空の月影を汲む。俯して杯をとれば、滾々こんこんくところの吟醸ぎんじょうあり、起って剣を放てば、すなわち呉の死命を制す……じゃ。呉は江南富饒ふじょうの土地である。
三国志:07 赤壁の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)