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吐鳴
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どな
ふりがな文庫
“
吐鳴
(
どな
)” の例文
或る時には犬のその声を聞いて、例の隣の大尽の家からは「ほんとうになんといふうるさい犬だらう」と、大きな声で子供が
吐鳴
(
どな
)
るやうなこともあつた。
田園の憂欝:或は病める薔薇
(新字旧仮名)
/
佐藤春夫
(著)
岡村が
吐鳴
(
どな
)
る。答える声もないが、台所の土間に下駄の音がする。火鉢の
側
(
そば
)
な障子があく。おしろい真白な婦人が、二皿の粽を及び腰に手を延べて茶ぶ台の上に出した。
浜菊
(新字新仮名)
/
伊藤左千夫
(著)
私は私で「エノシマ」と
吐鳴
(
どな
)
りながら、今や行くことの出来ぬ島を指さした。私は吐鳴ったが、これは自分の言葉が通じないと、無意識に彼等を
聾
(
つんぼ
)
だと思うからである。
日本その日その日:03 日本その日その日
(新字新仮名)
/
エドワード・シルヴェスター・モース
(著)
サタンの美学、名妓論の一端とでも言うのか。めちゃ苦茶のこと
吐鳴
(
どな
)
り散らして、眠りこけた。
懶惰の歌留多
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
こんなことを考へて居りますと一羽の鳥が『トムさんの馬鹿。』と
吐鳴
(
どな
)
つて、トムさんのつい鼻先へ石ころを、落したので
吃驚
(
びつくり
)
して、思ひ出したやうに、またひと鍬土を耕しました。
小熊秀雄全集-14:童話集
(新字旧仮名)
/
小熊秀雄
(著)
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と何か別の事でも非常に
激昂
(
げきかう
)
して居るらしい心を、彼の犬の方へうつして、ヒステリカルな声で散々に
吐鳴
(
どな
)
り立てた。その声が自分の家のなかで坐つて居る彼の耳にまで聞えて来た。
田園の憂欝:或は病める薔薇
(新字旧仮名)
/
佐藤春夫
(著)
さうして若しそんな事でも言ひ出せばきつと
吐鳴
(
どな
)
りつけるにきまつて居る、それでなくてさへも、もう全然駄目なものと見放されて居る——わけて自分との早婚すぎる無理な結婚の以後は
田園の憂欝:或は病める薔薇
(新字旧仮名)
/
佐藤春夫
(著)
吐
常用漢字
中学
部首:⼝
6画
鳴
常用漢字
小2
部首:⿃
14画
“吐”で始まる語句
吐
吐息
吐出
吐月峰
吐露
吐胸
吐月峯
吐瀉
吐気
吐血