同腹ぐる)” の例文
それも人のうわさでは、喜兵衛様のお妾のお花と、伊右衛門様をいっしょにするために、喜兵衛様、長右衛門様、伊右衛門様の三人が同腹ぐるになって、伊右衛門様に道楽者の真似まねをさして
四谷怪談 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
善平は笑いながら、や、しかし綱雄が来たらば、二人で同腹ぐるになっておれをやり込めるであろうな。この上なお威張られてはたまらぬ。おれは奥村さんのところへでも逃げて行こうか。
書記官 (新字新仮名) / 川上眉山(著)
次第によったら堪忍してやるめえものでもねえが、お慈悲が願いたければ真っ直ぐに白状しろ。どうだ、おれが睨んだに相違あるめえ。おめえと三吉とが同腹ぐるになって、七之助の兇状を
半七捕物帳:12 猫騒動 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
じつを話すと、あのロングウェルとルチアノは同腹ぐるなんだよ。
人外魔境:08 遊魂境 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
七蔵も最初から喜三郎と同腹ぐるではなかったのですが、お関に起されて眼をさましかかった所へ、丁度に喜三郎が仕事をして帰って来たもんですから、喜三郎も悪いところを見られたと思って
半七捕物帳:14 山祝いの夜 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
良因さんも同腹ぐるになつて、わたし達を嚇かしたのね。隨分ひどい。
能因法師 (旧字旧仮名) / 岡本綺堂(著)