同僚なかま)” の例文
父の同僚なかまの住みあらしたあとを、もうけた金で買い取ったのだ。かなり広い。木立ちも多い。が、なにぶん荒れはてた古い家である。
巷説享保図絵 (新字新仮名) / 林不忘(著)
警察界にほとんど同時に職を奉じた同僚なかまであるが、掏摸すり賭博とばくのほうに明るくて、彼が十余年来、警察署を回らされているのに、ずっと警視庁を動かず
五階の窓:03 合作の三 (新字新仮名) / 森下雨村(著)
うなると滑稽をかしなもので、さらでだに私は編輯局で一番年が若いのに、人一倍大事がられて居たのを、同僚なかまに対して気恥かしい位、社長や理事の態度が変つて来る。
菊池君 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
ちょっと口をすべらして聞いてみたんです……すると、その時は菱沼さん、別に大して不思議にも思われないようでしたが、恰度そばに居合わせた私の同僚なかま夏目なつめってのが、どんな女だって
あやつり裁判 (新字新仮名) / 大阪圭吉(著)