可申まをすべく)” の例文
私は何故なにゆゑ富山に縁付き申候や、其気そのきには相成申候や、又何故御前様の御辞おんことばには従ひ不申まをさず候や、唯今ただいまと相成候て考へ申候へば、覚めてくやしき夢の中のやうにて、全く一時の迷とも可申まをすべく
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
さまざまにあきら申候まをしさふらへども、此の一事はとても思絶ち難く候へば、わたくし相果あひは候迄さふらふまでには是非々々一度、如何に致候てもして御目おんめもじ相願ひ可申まをすべくと、此頃は唯其事ただそのことのみ一心に考居かんがへを申候まをしさふらふ
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
此命このいのち御前様おんまへさまに捨て候ものに無御座候ござなくさふらはば、外には此人の為に捨て可申まをすべく存候ぞんじさふらふ
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)