可恥はづかし)” の例文
「はい、あの居間へおいでで、紙門越ふすまごしに様子を聴いてゐらつしやいます。どうもこんなところを皆様のお目に掛けまして、実にお可恥はづかしくてなりません」
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
唯継の放蕩致候ほうとういたしさふらふは、畢竟ひつきよううちのおもしろからぬゆゑと、日頃の事一々誰が告げ候にや、可恥はづかしき迄に皆知れ候て、此後は何分心を用ゐくれ候やうにと被申候まをされさふらふ
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
知つてゐる通の阿母おつかさんが在るばかりに唯さう思ふばかりで、どうと云ふ事も出来ず、本当ほんと可恥はづかしいほど行届かないだらけで、これぢやあんまり済まないから、一日も早く所帯でも持つやうに成つて
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)