召捕あげ)” の例文
そして、この事件の専役せんやくを東儀与力に命じた。同時に、八弥と耀蔵ようぞうも、力をあわせて、一日もはやく下手人を召捕あげるように言い渡された。
牢獄の花嫁 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「第一、江戸へ帰れば、早晩貴公も、八十三郎の連累れんるいとして、召捕あげられる。また、どの顔さげて、江戸の街を、その頭で歩けるか——」
松のや露八 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
それにまた、町の者は、この事件の犯人を召捕あげるのは、北か南か、というところに、例によって、興味をもってもいるようです。
大岡越前 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「そりゃ、相場はきまっていますが、生かしておく間に泥を吐かせれば、余類のやつを芋づるに召捕あげられようというもんです」
江戸三国志 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「じゃ、こいつを渡しておくから、弦之丞を召捕あげるまで、海部の揚屋あがりやへ預かっておいて貰おうか」といった。
鳴門秘帖:05 剣山の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
……まあ、そう心配しねえがいい、召捕あげたと言ったところで、手近な百姓牢に預けて置いたのだから、十日もたてば、百叩きで押ッぽり出されて家へけえってるだろう
江戸三国志 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
商売冥利みょうり、今日のところだけは見遁みのがしてやったが、小倉庵が、承知で、彼奴きゃつに大手を振って歩かせていると云われちゃあ、世間に済まねえ、近いうちに野郎を召捕あげるぜ
松のや露八 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
召捕あげに来たのじゃない。十手は、奉行所の者だというしるしだけにおいたのだ。知っていることを、知っている通りにいってくれれば……そうさな、極々ごくごく、軽いところで、済まそうじゃないか
大岡越前 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
何の気もなく召捕あげてしまったが、おめえが半五郎のせがれだとは知らなかった。
江戸三国志 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
ここは、海部代官の支配区域、本来、お手前たちの腕だけで、こんな者は、とうにパキパキと召捕あげてみせなければならないのではないか。それを、徳島から釘抜きの眼八様がすけに来てやっているんだ。
鳴門秘帖:05 剣山の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
『いつ召捕あげられたんだ』
魚紋 (新字新仮名) / 吉川英治(著)