叡帝えいてい)” の例文
鍾繇しょうようは、魏の大老である。野に隠れたる大人物とは、いったい誰をさしていうのか。叡帝えいてい忌憚きたんなくそれをげよといった。
三国志:11 五丈原の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
時に、魏の叡帝えいていは、曹真が祁山きざんにおける大敗を聞いて、孔明の大軍の容易ならざる勢力を知り、遠く、使いを派して、西羗の国王徹里吉てつりきつに対し
三国志:11 五丈原の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
この防呉作戦については、叡帝えいてい親征の事が決る前に、その廟議でも大いに議論のあった所であるが、結局、先帝以来、不敗の例となっている要路と作戦を踏襲とうしゅうすることになったものである。
三国志:11 五丈原の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
しかしその位置、その重職には、不足ない大将軍たる資格はあるので、衆議異論なく、叡帝えいていまたその志を壮なりとして、関西の軍馬二十万馬を与え、以て、孔明を粉砕すべしと、印綬いんじゅをゆるした。
三国志:10 出師の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)