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とりのく
いづれの家にても雪は家よりも
高ゆゑ、春を
迎る時にいたればこゝろよく
日光を引んために、
明をとる処の
窗に
遮る雪を他処へ
取除るなり。
いづれの家にても雪は家よりも
高ゆゑ、春を
迎る時にいたればこゝろよく
日光を引んために、
明をとる処の
窗に
遮る雪を他処へ
取除るなり。
弥生の
頃は雪もやゝ
稀なれば、
春色の
空を見て
家毎に雪
囲を
取除るころなれば
弥生の
頃は雪もやゝ
稀なれば、
春色の
空を見て
家毎に雪
囲を
取除るころなれば
是に
生れ是に
慣て、年々の㕝なれども雪にこもりをるはおのづから
朦然として心たのしからず。しかるに春の半にいたり
雪囲を
取除れば、日光明々としてはじめて
人間世界へいでたるこゝちぞせらる。
是に
生れ是に
慣て、年々の㕝なれども雪にこもりをるはおのづから
朦然として心たのしからず。しかるに春の半にいたり
雪囲を
取除れば、日光明々としてはじめて
人間世界へいでたるこゝちぞせらる。