取済とりすま)” の例文
旧字:取濟
八重子は今年の春に附属小学校から学園に移ったのですが、中産階級の奥さま型に出来上っている顔はもう制服姿に似合わないほど纏って取済とりすましたものになりました。
生々流転 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
我がこの様な丸髷まるまげなどに、取済とりすましたる様な姿をいかばかりつらにくく思はれるであらう、夢さらさうした楽しらしい身ではなけれどもと阿関は振かへつて録之助を見やるに
十三夜 (新字旧仮名) / 樋口一葉(著)
忠弘には絹姫きぬひめという従兄妹いとこ同士の許婚いいなずげがあり、朝夕顔を合わせておりますが、絹姫の絵に描いたような端麗な美しさも、取済とりすましたお行儀のよさも、学問諸芸の並々ならぬたしなみも