反覆くりかえ)” の例文
薄気味うすきび悪くなって遣ろうとするが、最う受取らない。いよ、呉れないと云ったね、いよと、其許そればかりを反覆くりかえして行って了う。
平凡 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
この一節は、仏教の世界観を物語る「三の法門」すなわち「蘊」「処」「界」の三種の方面から、「一切は空なり」ということを、反覆くりかえして説いたものであります。
般若心経講義 (新字新仮名) / 高神覚昇(著)
で、親子一つ事を反覆くりかえすばかりで何日っても話の纏まらぬうちに、同窓の何某なにがしはもう二三日ぜんに上京したし、何某なにがしは此月末つきずえに上京するという話も聞く。
平凡 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
どんなに重要な意味をもっていることばであるかは、すでに、しばしば反覆くりかえし説いてまいりましたが、要するに、縦から見ても横から見ても、内から見ても、外から見ても、「仏教の根本思想」は
般若心経講義 (新字新仮名) / 高神覚昇(著)
私も亦夜着をかぶった。いぬは門前を去ったのか、啼声がやや遠くなるにれて、父のいびきが又蒼蠅うるさく耳に附く。寝られぬ儘に、私は夜着の中で今聴いた母の説明を反覆くりかえし反覆しあじわって見た。
平凡 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)