半臂はっぴ)” の例文
赤顔あかがしらを除き、半臂はっぴぬぎ捨て、侍女の薙刀なぎなたを奪ひ、大口おおくち穿きしまま小脇にかいこみたる形は、四天王但馬の妻と見えたり。
両座の「山門」評 (新字旧仮名) / 三木竹二(著)
めぐらせておるが、上のモは時として身幅に足らぬこともある。秋の境の涼しい朝夕には、キヌの上にさらに半臂はっぴを着る
雪国の春 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
短いひとえの衣にも、白を好むものが北へ行くほど多い。黒の半臂はっぴを一様にその上に着て、野路を群れて行くさまは絵であった。下の裳にも今は紅を厭うて、こき山吹に染めた若い女が多かった。
雪国の春 (新字新仮名) / 柳田国男(著)