医王山いおうざん)” の例文
旧字:醫王山
背後うしろから呼ぶやさしい声に、医王山いおうざんの半腹、樹木の鬱葱うっそうたる中をでて、ふと夜の明けたように、空み、気きよく、時しも夏のはじめを、秋見る昼の月のごとく、前途遥ゆくてはるかなる高峰たかねの上に日輪にちりんあおいだ高坂こうさか
薬草取 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
山は医王山いおうざん幽翠ゆうすいを背負って、閑古鳥かんこどりでもきそうにさびていた。
鳴門秘帖:05 剣山の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)