勃然むっくり)” の例文
まず朝勃然むっくり起る、弁当を背負しょわせて学校へだしる、帰ッて来る、直ちに傍近の私塾へ通わせると言うのだから、あけしい間がない。
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
お宅のは勃然むっくり起きましてな、キリキリと二三遍廻って、パタリと倒れると、仰向きになってこう四足よつあしを突張りましてな、尻尾でバタバタ地面ちべたを叩いたのは、あれは大方くるしがったんでしょうが
平凡 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
はずしてなるものか、というような気になって、必死になって武者震いを喰止めて、何喰わぬ顔をして、呼ばれる儘に雪江さんの部屋の前へ行くと、こごんでいた雪江さんが、其時勃然むっくりかおを挙げた。
平凡 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)