別目けじめ)” の例文
かの女は夢とも現実とも別目けじめのつかないこういう気持にかれて、モナミへ入り、テーブルに倚りかかって、うつらうつらむす子と行った巴里のキャフェを想いふける。
母子叙情 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
同じ流れにさおさすとも、本流に乗るものがあり、支流に走るものがあろう。澄むもの濁れるもの、健かなるもの病めるもの、人々は別目けじめもなくすべてを工藝と呼ぶ。積るちりはすでに厚い。
工芸の道 (新字新仮名) / 柳宗悦(著)