初茸はつだけ)” の例文
長唄は六三郎、踊は水木みずき。しみったれたことや薄手うすでなことはなによりきらい、好物はかんのスジと初茸はつだけのつけ焼。
ユモレスク (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
最早初茸はつだけを箱に入れて、木の葉のついた樺色かばいろなやつや、緑青ろくしょうがかったやつなぞを近在の老婆達が売りに来る。
千曲川のスケッチ (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
東京の近傍きんぼうでは初茸はつだけが沢山採れてスープにでもすると味は大層いものですが秋になって初茸を出そうとするには六月頃から松の落葉をかずにそのまま置いてわら
食道楽:冬の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)
客でも招待するときには、臨時に掃除をするのかと聞いたら、そうだと答えていた。主人に挨拶あいさつをしてまた松山を抜けたら、松の間に牛が放してあった。駅長が行く行く初茸はつだけを取った。
満韓ところどころ (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
そうかと思うと松茸まつだけ初茸はつだけを煮る時毒消しだといって必ず茄子を
食道楽:秋の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)