“はつだけ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
初茸71.4%
初蕈28.6%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
東京の近傍きんぼうでは初茸はつだけが沢山採れてスープにでもすると味は大層いものですが秋になって初茸を出そうとするには六月頃から松の落葉をかずにそのまま置いてわら
食道楽:冬の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)
客でも招待するときには、臨時に掃除をするのかと聞いたら、そうだと答えていた。主人に挨拶あいさつをしてまた松山を抜けたら、松の間に牛が放してあった。駅長が行く行く初茸はつだけを取った。
満韓ところどころ (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
離れ/″\の松の樹が、山の端に登つた許りの朝日に、長い影を草の上に投げて、葉毎に珠を綴つた無数の露の美しさ。秋草の香が初蕈はつだけの香を交へて、深くも胸の底に沁みる。
天鵞絨 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
熊笹くまざさ、柴などを分けて、私達はきのこを探し歩いたが、その日は獲物は少なかった。枯葉をかま掻除かきのけて見るとたまにあるのは紅蕈べにたけという食われないのか、腐敗した初蕈はつだけ位のものだった。
千曲川のスケッチ (新字新仮名) / 島崎藤村(著)