分毫ふんごう)” の例文
衆人しゅうじんめぐり見る中へ、其の姿をあの島の柳の上へ高くあらわし、大空に向つてはいをされい。祭文さいもんにも歌にも及ばぬ。天竜てんりゅう、雲をり、らいを放ち、雨をみなぎらすは、明午みょうごを過ぎてさる上刻じょうこく分毫ふんごうも相違ない。
伯爵の釵 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)