出掛でが)” の例文
セルで足袋を穿いては、軍人の奥方めく、素足では待合から出たようだ、と云ってやしき出掛でがけに着換えたが、はだに、紋縮緬もんちりめん長襦袢ながじゅばん
婦系図 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
昼過ひるすぎ散歩の出掛でがけに、門野かどのへやのぞいたら又引繰ひつくり返つて、ぐう/\寐てゐた。代助は門野かどのの無邪気な鼻の穴を見て羨ましくなつた。実を云ふと、自分は昨夕ゆふべつかれないで大変難義したのである。
それから (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
「あいにく出掛でがけだったものですから」
虞美人草 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)