凹所おうしょ)” の例文
象の背中から落ちた破片は、腹部の凹所おうしょを満たしていたので、歩いてもちょうどゆかの上のような具合だった。
その室は、中央の壁の凹所おうしょ、仏壇の後ろに禅宗の開祖菩提達磨ぼだいだるまの像か、または祖師迦葉かしょう阿難陀あなんだをしたがえた釈迦牟尼しゃかむにの像があるのを除いてはなんの飾りもない。
茶の本:04 茶の本 (新字新仮名) / 岡倉天心岡倉覚三(著)
水路の幅は約二間、しかも精巧に作られている。左右は岩壁、天井も岩壁ところどころに凹所おうしょがある。
任侠二刀流 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
おそらくそこだけ湖底に凹所おうしょがあって鳥の足には深すぎるので、それでそこだけが明いているのだろうと想像された。もしそうだとすれば鳥の群れの写真から湖底の等深線の一つがわかるはずである。
映画雑感(Ⅰ) (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)