几上きじょう)” の例文
時に坐客数人まさに満を引く、虓然こうぜんの声左右にあるごとく酒几上きじょうに傾かざる者なしとあって、虎の声は随分大きいが獅に劣る事遠しだ
びっくりしたように、彼はあわてて几上きじょうの一文をたもとの下にしまいかくした。王は、それへ眼をとめながら
三国志:05 臣道の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
単なる几上きじょうの論としては、本来長かった語が分解して、タジまたはイタを生じたものと言い得るであろうが、それでは私たちの切に求めている変化の理由というものがなお一層不明になる。
彼は度たび本を前に夜を徹したことを覚えている。いや、几上きじょう、車上、厠上しじょう、——時には路上にも熱心に本を読んだことを覚えている。木剣は勿論もちろん「水滸伝」以来二度と彼の手に取られなかった。
諸葛均は、立って、几上きじょうの文房四具を取り揃え、玄徳の前にそなえた。
三国志:06 孔明の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)