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冤
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むじつ
ふりがな文庫
“
冤
(
むじつ
)” の例文
しかも彼女はその
冤
(
むじつ
)
を訴えることさえできず、黙って住民たちに嘲笑され、悪童どもの投げつける石に耐えなければならないのである。
青べか物語
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
そして遂に
冤
(
むじつ
)
として放免せられた事件があったが、この時の拷問に耐えた金平の態度は、実に壮絶を極めたものらしい。
随筆 宮本武蔵
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「あの、わたくしどもが甲府へ参りまするのは、
冤
(
むじつ
)
の罪で牢屋につながれている人を助けに参るのでございます」
大菩薩峠:11 駒井能登守の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
誰一人
執成
(
とりな
)
してくれようと云うものはなし、しかたがないので、そっとね、姉様が
冤
(
むじつ
)
の罪を
被
(
き
)
せられて——
昨夕
(
ゆうべ
)
話したッけ——冤というのは何にも知らない罪を塗りつけられたの。
照葉狂言
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
平次は明らかに、お糸の
冤
(
むじつ
)
を、たった一本の
真田紐
(
さなだひも
)
で証明しようとしているのです。
銭形平次捕物控:060 蝉丸の香炉
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
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「果して
冤
(
むじつ
)
の罪であるものならば、わしの力を借りるまでもなく罪は
赦
(
ゆる
)
される。もし、まことに罪があるものならば、わしが力添えをしたとてどうにもなるものではない」
大菩薩峠:11 駒井能登守の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
平次は明かに、お糸の
冤
(
むじつ
)
を、たつた一本の
眞田紐
(
さなだひも
)
で證明しようとして居るのです。
銭形平次捕物控:060 蝉丸の香爐
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
たしかに
冤
(
むじつ
)
の罪なのでございまする、その方は決して盗みなどをなさる方ではないのでございまする、公儀様の御金蔵を破るなどという、だいそれたことをなさるお方でないことは
大菩薩峠:11 駒井能登守の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
繼母のお嘉代はひたむきに伜の文次郎の
冤
(
むじつ
)
を訴へるのです。
銭形平次捕物控:147 縞の財布
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
宇津木、君だからとて、そうそう正直に
冤
(
むじつ
)
の晴れるのを待ってもいられまい。
大菩薩峠:13 如法闇夜の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
冤
漢検1級
部首:⼍
10画
“冤”を含む語句
冤罪
冤枉
雪冤
冤謫
洗冤録
冤鬼
冤罪者
冤魂
埋冤
冤刑
冤名
冤屈
冤枉者
宿冤
洗冤