其切それきり)” の例文
双六すごろくつてけませう。わたしほかことなんにもらねば……して、わたしけましたら、其切それきり仕方しかたがありません。
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
と、何処でかキャンキャンと二声三声犬の啼声がする……きっと耳を引立ひったって見たが、もう其切それきりで聞えない。隣町あたりでかじけたような物売の声がする。
平凡 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)