“其刀”の読み方と例文
読み方割合
それ100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
だいぶき古した朱鞘しゅざやごしらえの父の大刀を持って来て、はしご段のなかほどに待っていた法外に渡すと、老人は其刀それを、肩越しに、二、三段下の大次郎へ差し出して
煩悩秘文書 (新字新仮名) / 林不忘(著)
『きょうは、どちらへお越しでござりますか』——と、其刀それが気に懸かるように、訊ねた。
山浦清麿 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
帰藩と同時に其刀それを献上におよび、左膳のものとなるべきはずだったあらゆる賞美と栄誉は、すべてこれ和田栄三郎のゆうする……と、お艶はいま、あけても暮れても海へ行った栄三郎の帰府と
丹下左膳:01 乾雲坤竜の巻 (新字新仮名) / 林不忘(著)