兵符へいふ)” の例文
兵符へいふをうけて、その発向を知った周瑜は、すぐ一軍を派して、南屏山なんびょうざんのいただきに大旗をさしあげ、まず先手の大将陸遜りくそんを迎え、続いて孫権の許へも
三国志:08 望蜀の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
式場に三重の壇を築き、五方に旗を立てて、白旄はくぼう黄鉞こうえつ兵符へいふ印綬いんじゅなどを捧持する諸将の整列する中を、袁紹は衣冠をととのえ、剣をいて壇にのぼり
三国志:03 群星の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
また、もっとも大事な倉庫方くりかた——金品出納の事務などは——蒋敬を部長とし、蕭譲しょうじょうには、通牒や文書のほうをつかさどらせ、金大堅に兵符へいふ印形いんぎょう、鑑札などの彫刻がかりを。
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
蔡夫人は、子の劉琮に代って、故劉表の印綬と兵符へいふとを、錦の布につつんで、曹操の手へあずけた。
三国志:07 赤壁の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)