兵助ひょうすけ)” の例文
日暮れまえに、太田黒兵助ひょうすけたち三名の使いの者から、武蔵の手へ、確乎しかとわたして承諾を取った果し合いの出合い状には
宮本武蔵:05 風の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
しかも稲野谷兵助ひょうすけは、ついぞ先刻さっき、終発間近にこの家を去ったわけではないか。
地虫 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
兵助ひょうすけ、兵助、兵助はいるか」
大菩薩峠:34 白雲の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
植田良平というのは、祇園ぎおん藤次、南保余一兵衛なんぽうよいちべえ御池みいけ十郎左衛門、小橋蔵人くらんど、太田黒兵助ひょうすけなどという古参門下とともに、吉岡の十剣と自称している高弟のうちの一名だった。
宮本武蔵:04 火の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
今も、彼のつかれを知らない精力に大勢が辟易顔へきえきがおして、次に名ざしを受けるのを恐れるかのようにみな隅へ寄り、古参の太田黒兵助ひょうすけがまるで子どもみたいにあしらわれているのを見ていたところだった。
宮本武蔵:05 風の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)