六花むつばな)” の例文
うしろからかざしかけた大傘の紋処はいわずと知れた金丸長者の抱茗荷だきみょうがと知る人ぞ知る。鼈甲べっこうずくめの櫛、かんざしに後光のす玉のかんばせ、柳の眉。綴錦つづれにしき裲襠うちかけに銀の六花むつばな摺箔すりはく。五葉の松の縫いつぶし。
名娼満月 (新字新仮名) / 夢野久作(著)