光子てるこ)” の例文
母屋から離れた二間ふたまつづきの茶室の内で、こう軽く驚いていたのは、菖蒲あやめの寮が焼けて以来、その行方を疑われていた光子てるこの御方——
剣難女難 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
そこへ寄って来たのは、意外にも光子てるこの御方だった。どうして御方がこの屋敷へ入り込んで来たのか、彼には皆目見当がつかなかった。
剣難女難 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
行燈あんどんの下に、投げ捨ててあった文殻ふみがらを拾って、じっと、瞋恚しんいまなこで読み下している人——それは寮のあるじ光子てるこの御方だった。
剣難女難 (新字新仮名) / 吉川英治(著)