先蹤せんしよう)” の例文
この頃は有力の佛者が諸所の山々を開いた時代で、小角をつぬが芳野を開き、泰澄たいちよう白山はくさんを開いたのなどは先蹤せんしようをなしてゐる。
華厳滝 (旧字旧仮名) / 幸田露伴(著)
中村敬宇先生が自助論を飜訳し耶蘇教の洗礼を受けしが如き、皆是れ前例なく先蹤せんしようなく、前人の夢にだも思はざる所迄に向つて先づ手を附けし者なり。
明治文学史 (新字旧仮名) / 山路愛山(著)
これも先蹤せんしようがあつて宗達の工夫がそんなに働いてゐないのかも知れないが、雷神の方を白くする方が、配合のいろいろな関係でやはり動かないところであらうか。
雷談義 (新字旧仮名) / 斎藤茂吉(著)
その先蹤せんしようをなした「若菜集」はまた一層の價値を高めることであらう。
新しき声 (旧字旧仮名) / 蒲原有明(著)