僧綱そうごう)” の例文
あるいは僧門の人であり、後世専門的彫刻家が輩出するようになっても皆所謂いわゆる大仏師であって、定朝以来皆法印、法眼、法橋のような僧綱そうごうを持していた。
本邦肖像彫刻技法の推移 (新字新仮名) / 高村光太郎(著)
万法蔵院の上座の僧綱そうごうたちの考えでは、まず奈良へ使いを出さねばならぬ。横佩家よこはきけの人々の心を、思うたのである。
死者の書 (新字新仮名) / 折口信夫(著)
かねてからの疑惑、中宮御産祈祷の怪なども、北条氏調伏ちょうぶくが、その目的であると共に、朝廷の触手が徐々に、それらの僧綱そうごうを抱き込みにかかっているものとは明白に分っていた。
私本太平記:02 婆娑羅帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
寺のやっこが、三四人先に立って、僧綱そうごうが五六人、其に、大勢の所化しょけたちのとりいた一群れが、廬へ来た。
死者の書 (新字新仮名) / 折口信夫(著)