倹約家しまつや)” の例文
生来の倹約家しまつやだが、実際、僅の手間では、食って行くのが、関の山で、たまに活動か寄席へ出かけるより外、娯楽たのしみれ無い。
越後獅子 (新字新仮名) / 羽志主水(著)
日頃、倹約家しまつやの葛岡も、きょうは何とも言わないばかりか、自分の使い残した僅かの所持金まで全部私に手渡したのでした。
生々流転 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
倹約家しまつやの婆さんのことだから、外套はほどいたままで何時いつまでもしまっておくことだろう、そして、しまいには、遺言によって、いろんな他のがらくたと一緒に
信州人特有の倹約家しまつやで、金貸などをひそかにやり、たいして人にも怨まれないうちに、相当に貯めて家屋敷なども買い、町内の世話をして口を利き、武士ではあったが町人同然
剣侠 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
安重根 おやじの安泰勲が倹約家しまつやで、少しばかり不動産があってねえ、鎮南浦に残して来た僕の家族は、それで居食いしているわけだが、それも、今では二三百石のものだろう。
倹約家しまつやだ!」と医師が叫んだ。「この男はだまされるような人間じゃなかったですな。」