信之のぶゆき)” の例文
成斎には二子三女があって、長男生輒せいしょうは早世し、次男信之のぶゆきが家を継いだ。通称は俊治しゅんじである。俊治の子は鎰之助いつのすけ、鎰之助の養嗣子は、今本郷区駒込こまごめ動坂町どうざかちょうにいる昌吉しょうきちさんである。
渋江抽斎 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
小川家といへば、郡でも相応な資産家として、また、当主の信之のぶゆきが郡会議員になつてゐる所から、おもなる有志家の一人として名が通つてゐる。信吾は其家そこの総領で、今年大学の英文科を三年に進んだ。
鳥影 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
書上に詮応を「叔父」と称してある。系図錦橋本に従へば、詮応は嵩山すうざんの孫である。京水本に従へば信重のぢよ溝挾みぞはさ氏室に瀬兵衛某と信之のぶゆきとの二子があり、信之に信吉のぶよしと詮応との二子があつた。
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)