便次ついで)” の例文
ちいさな、というのに力を入れて、丁度いとの締まった箏を、軽々かるがると坐ったまま、ぐるりと筆規ぶんまわしのように振りかえた便次ついでに、かかえるようにして見せた。
朱絃舎浜子 (新字新仮名) / 長谷川時雨(著)
で、便次ついでに、朱絃舎の門弟といえば、浜子の箏の耽美者たんびしゃである、最も近しい仲の人たちばかりだった。
朱絃舎浜子 (新字新仮名) / 長谷川時雨(著)
きらいとなったら、どんな猛暑にも雷が鳴り出すと蚊帳かやのなかでふとんをかぶっていられるので、ある時、奈良へ行った便次ついでに、唐招菩提寺とうしょうぼだいじの雷けをもっていってあげたことを
江木欣々女史 (新字新仮名) / 長谷川時雨(著)