使僕こもの)” の例文
主馬之進と勘兵衛と、覆面の武士と屋敷の使僕こものたちが、こっちへ走って来る姿であった。二人は腹背に敵を受け、進退まったくきわまった。
仇討姉妹笠 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
余り見事な格闘振りに弓之進や北山を初めとし弟子若党使僕こものまでただ茫然と眺めていたがこの時バラバラと駈け寄った。
八ヶ嶽の魔神 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
若党使僕こもの五人を連れ他に犬を一頭曵き、ひさごには酒、割籠わりごには食物、そして水筒には清水を入れ、弓之進はで立った。
八ヶ嶽の魔神 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
城中へ疫病えやみが入り込んだのであって、さすがに領主の甚五衛門や浪人組の増良雄ますらおや花村右門と云ったような勇士の面々には変りもないが、生若い武士や使僕こものなどは
蔦葛木曽棧 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
(もしや使僕こものなどが気を利かせすぎて、あらぬ所へ仕舞ったのかもしれない)
猫の蚤とり武士 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
手を拍って使僕こものを呼んだものである。
戯作者 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)