伝国でんこく)” の例文
「彼の手には、伝国でんこく玉璽ぎょくじがある。それでだろう。——しかし、衆口のささやき伝える力のほうが怖しい。実現するかもしれないな」
三国志:04 草莽の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
小人しょうじんたまを抱いて罪あり、例の孫策が預けておいた伝国でんこく玉璽ぎょくじがあったため、とうとうこんな大それた人間が出てしまったのである。
三国志:04 草莽の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
淮南わいなん袁術えんじゅつも一時は自ら帝位を冒していましたが、自製皇帝の位も持ちきれなくなり、兄袁紹へ例の伝国でんこく玉璽ぎょくじを贈って、兄に皇帝の名を取らせ、自分は実利をせしめんものと
三国志:05 臣道の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「——これは伝国でんこく玉璽ぎょくじです。まぎれもなく、朝廷の玉璽でございます」
三国志:03 群星の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「かねて、お手許へお預けしておいた伝国でんこく玉璽ぎょくじですが、あれは大切なる故人孫堅の遺物かたみですから、この際お返しねがいたいものです。——もちろん、当時拝借した兵馬に価する物は、十倍にもしてお返し申しますが」
三国志:04 草莽の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)