イタリア)” の例文
(風は強く吹いて舟もまた行くこと早く、イタリアの山々はみるまにうつってゆく。岸べは麦のうねが連なり、あたかも青い毛氈かとみあやまるほどであった。)
南半球五万哩 (新字新仮名) / 井上円了(著)
スイスの谷間の尽きるところに水が湾を作り、さらに湖の舟にのって石の関所のごときをよぎる。風は残りの雲を吹き払い、夜にははれて、遠い空の一つのみどりはイタリアの山である。)
南半球五万哩 (新字新仮名) / 井上円了(著)
(波を切りさいてイタリア海峡に入れば、船は静かにして好んでてすりにもたれて四方を眺める。雲は屏風のごとくたちはだかっていたが、夜になってはれ、天には雪もようの寒さがみちたのであった。)
南半球五万哩 (新字新仮名) / 井上円了(著)