仄赤ほのあか)” の例文
幾年ぶりかで、洛陽の地上に、約八、九万の軍馬がたむろしたのである。篝火に仄赤ほのあかく空が染められただけでも、その夜、帝のお眠りは久々ぶりに深かったに違いない。
三国志:04 草莽の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
座席の後ろの四角い硝子ガラス窓からは、テール・ランプに照らされて仄赤ほのあかくぼやけた路面が、直ぐ眼の下に見えるだけで、あとは墨のような闇だったのだが、直ぐにその闇の中に
白妖 (新字新仮名) / 大阪圭吉(著)
また子供たちが「こんぺたう」と呼んで居るその菓子の形をした仄赤ほのあかく白い小さな花や、又「赤まんま」と子供たちに呼ばれて居る野花なども、その月草にまじつて一帯にはびこつて居た。