“人輪(ひとわ)” の例文
石燈籠(いしどうろう)の前には二十人ばかりの人が輪をつくっていた。そこには一枚の藁莚(わらむしろ)を被(き)せて覆うてあるものがあった。彼は人輪(ひとわ)の間にはさまってのぞいた。
雀が森の怪異 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
にわかごしらえの水独楽(みずごま)まわしの太夫(たゆう)、いでや、独楽をまわそうとしてはでな口上をいったはいいが、ひょいと人輪(ひとわ)のなかの浪人と六部(ぶ)のすがたを見て
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
そのあいだも人輪(ひとわ)の肩ごしに、眸は、演舌している法師のすがたへ射向けていた。
新書太閤記:04 第四分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)