乾咳からぜき)” の例文
ごほんと、乾咳からぜきいて、掻巻かいまきの襟を引張ひっぱると、暗がりの中に、その袖が一波ひとなみ打ってあおるに連れて、白いおおいに、襞襀ひだが入って、何だか、呼吸いきをするように、ぶるぶると動き出す。
沼夫人 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)