“からぜき”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
空咳81.8%
乾咳9.1%
虚咳9.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
「なに、なんの用できたね」ケルミッシュが空咳からぜきをした。見るとなんだか、不味まずいものがいっぱい詰まったような顔だ。
人外魔境:03 天母峰 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
ごほんと、乾咳からぜきいて、掻巻かいまきの襟を引張ひっぱると、暗がりの中に、その袖が一波ひとなみ打ってあおるに連れて、白いおおいに、襞襀ひだが入って、何だか、呼吸いきをするように、ぶるぶると動き出す。
沼夫人 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
一度車に乗せられて、病院へ運ばれた時は、堪へがたい虚咳からぜきの後で、刻むやうにして喀血かくけつしたことを話した。
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)