乱鬢みだれびん)” の例文
且つその狂か、か、いずれ常識無き阿房あほうなるを聞きたれば、驚ける気色も無くて、行水に乱鬢みだれびんの毛を鏡に対して撫附なでつけいたりけり。
妖僧記 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
その背後うしろから、物の影のように現われたのは、彰義隊士しょうぎたいし日下部欽之丞くさかべきんのじょう、二十四五の絵に描いたような美男ですが、軽傷あさでを受けた上、幾人か斬った返り血が、乱鬢みだれびんと、蒼い頬と
芳年写生帖 (新字新仮名) / 野村胡堂(著)