丹後守たんごのかみ)” の例文
瀬田は二十五歳で、脇差を盗まれたために、見苦しい最期さいごを遂げた。村役人を連れて帰つたいさんが、其夜そのようちに死骸を見付けて、二十二日に領主稲葉丹後守たんごのかみに届けた。
大塩平八郎 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
「どうしてそれを、——紛失ふんしつしたのは、救世觀音の尊像を描いた、巨勢金岡の名筆ぢや——申し遲れたが拙者は、湯島天神町の旗野丹後守たんごのかみの用人久保木桂馬くぼきけいまと申す。お見知り置きを願ひたい」
「植田丹後守たんごのかみ殿の御陣屋は……」
物語ものがたり此度の一件申わけなくは我主家の爲自害致さんにより其時は汝等必ずなげくべからずと能々よく/\あとのこと共申置勘解由は發足ほつそくなし道中取いそぎて日ならず江戸小川町の上屋敷へ着し其旨太守たいしゆへ申ければ丹後守たんごのかみ殿早速御召有つて日野家の一件御訊尋たづね申に勘解由は委細を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)