三窓さんのまど)” の例文
其上には劒岳の東の肩ともいう可き三窓さんのまど続きの更にいかめしい幾多の岩峰が、脚元から千仭の谷底目掛けて頽れ落ちる崩石の群を冷やかに瞰下ろして
黒部川奥の山旅 (新字新仮名) / 木暮理太郎(著)
後立山山脈から眺めた劒岳は、其東南面に平蔵谷、長次郎谷、三窓さんのまど、小窓、大窓と白竜の夭喬たる如き五条の大雪渓を懸け連ねて、立山を凌ぐ程の立派さである。
越中劒岳 (新字新仮名) / 木暮理太郎(著)
其外劒の大窓、小窓、三窓さんのまどは勿論、長次郎谷でも平蔵谷でも実に美事な雪渓である。高山植物では立山は白馬岳に及ばぬ。しかし雪では白馬岳は到底立山の敵ではない。
白馬岳 (新字新仮名) / 木暮理太郎(著)
間近い劒の八ツ峰から三窓さんのまどの頭へかけて簇立そうりつした岩峰の群が真先に目を惹く。此処ここから見ると三窓の頭は、三つばかりの尖峰が鋭く天を刺して直立している、一群の王者だ。
黒部川を遡る (新字新仮名) / 木暮理太郎(著)
偃松が深いのと傾斜が急なのとで、くも時間を費すが、通過不可能ではない。小窓から三窓さんのまどへ出るにも二時間以上を要することは、初めて此処ここに登られた吉沢君の紀行から推して知ることが出来る。
黒部川奥の山旅 (新字新仮名) / 木暮理太郎(著)