一荷いつか)” の例文
ねんねこをらしてきせて、あめかぜなか上野うへのがし、あとでした片手かたてさげの一荷いつかさへ、生命いのちあやふさにつちやつた。
十六夜 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
頂上の停車場に著いたときも雲霧が濃く、雨滴となつてしぶくので、旅人等は下車をためらつてゐると、若者が一荷いつかの雨外套を運んで来て、それを銘々に著せてくれた。
ヴエスヴイオ山 (新字旧仮名) / 斎藤茂吉(著)