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やきめし
樵夫はこれをしらず、今日の
生業はこれにてたれり、いざや
焼飯にせんとて打より見れば一
粒ものこさず、
烏どもは
樹上にありて
啼。
朝を待って、僧房の
芋粥をすすり、
焼飯の
糧は釘勘の腰につけて、三人はまた
芦ヶ
久保の山村を立ちました。
樵夫はこれをしらず、今日の
生業はこれにてたれり、いざや
焼飯にせんとて打より見れば一
粒ものこさず、
烏どもは
樹上にありて
啼。
竹助は心
剛なる者ゆゑ用心にさしたる山刀を
提、よらば
斬んと
身がまへけるに、此ものはさる
気色もなく、竹助が石の上におきたる
焼飯に
指しくれよと
乞ふさまなり。
竹助は心
剛なる者ゆゑ用心にさしたる山刀を
提、よらば
斬んと
身がまへけるに、此ものはさる
気色もなく、竹助が石の上におきたる
焼飯に
指しくれよと
乞ふさまなり。
農夫は
貧乏の者なりしゆゑ六百ときゝて大によろこび、
焼飯二ツを出して六百の銭に
替けり。